【ストックイラスト】投稿で気になる著作権の取り扱い。譲渡する場合に想定しておくべきデメリットとは?

【ストックイラスト】投稿で気になる著作権の取り扱い。譲渡する場合に想定しておくべきデメリットとは?

こんにちは、ときんです。

ストックイラスト初心者さんにとって気になることの一つとして必ず挙がる著作権の取り扱い問題。ありますよねー。

「著作権とか、難しそうであんまり考えたくない。。」
「著作権を譲渡するのは、なんとなーくまずいんだろうなとは思っている」
「著作権についてはおいおい考える、まずはバシバシ投稿だ!!!」

などなど、いろんなスタンスの方がいらっしゃると思います。

どのお気持ちも、激しくわかります。

私もストックイラスト始めたての頃は同じようにふわっふわの気持ちと知識で臨んでいましたから。

「チョサクケン ジョウト ッテ ナアニ?」状態でしたよ。

でもいろいろ学んだ今なら、できるだけ早いうちに、できればストックイラストを始める前に、著作権のことはしっかり理解しておく方が良いと断言します。

それは自分の作品を最大限価値あるものにするためでもありますし、「こんなはずじゃなかった…」を未然に防ぐためにもとても重要なことです。

ということでこの記事では、

 ・各ストックサイトにおける著作権の取り扱い(利用規約)を確認
 ・著作権を保有/譲渡することによるメリット/デメリット
 ・その他、利用規約で事前確認しておいた方が後悔しない項目を紹介

といったラインナップでお送りしたいと思います!

※ここでは、私が利用している「イラストAC」「PIXTA」「Adobe Stock」についてご紹介します。

※お急ぎの方は、太文字+カラーラインのところを中心にお読みください!

※ここで引用している利用規約の文面は2020年11月時点のものです。
 改訂されることもあるので、都度確認することをお勧めします。
 (リンクから利用規約のページへ飛べます)

では、行ってみましょー。

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ストックイラストの著作権を自分が持てるかは利用するサイトによって異なる!利用規約を確認してみましょう。

 投稿するイラストの著作権を誰が持つのかは、利用するストックサイトによって異なります。 

そしてその答えは各サイトの利用規約に明記されています。

以下、私が利用している「イラストAC」「PIXTA」「Adobe Stock」の利用規約の、著作権の帰属について書かれた部分を紹介していきますよ。

イラストACにおける著作権の取り扱い

イラストACの利用規約

■イラストのアップロード
4.
イラストをアップロードしたことにより、会員は、イラストの一切の著作権(著作権法27条及び28条の権利を含む)を弊社に譲渡し、以後、イラストに関する著作権は弊社に帰属します。

イラストAC 利用規約より

意訳:アップロードした時点で、イラストの著作権は、イラストACが持ちますよ。

■イラストのアップロード
5.
イラストをアップロードした会員は、弊社あるいはイラストをダウンロードした利用者、その他いかなる第三者に対しても著作者人格権を主張しないものとします。これは学校や教育機関など、グループとしてイラストをアップロードする場合にも適用されます。

イラストAC 利用規約より

意訳:イラストレーターは、著作者人格権を行使しないでね。

おっと。これはむむむ案件ですね。

 イラストACにアップロードしたイラストの著作権は、イラストAC側へ譲渡されます。 

また、 著作者人格権についても行使しない よう明記されています。

著作者人格権とは、作者の名誉や作品への思い入れを守る権利で、

「これ描いたの私!!」とか

「こういう加工はしないでね」とか

「こういう使い方はしないでね」とか

を主張できる権利です。

この権利の内容は著作者の感情に紐づいていて、譲渡されるような性質のものではないので、「行使しない」という表現により権限を手放すことになります。

この著作者人格権の不行使に関しては、ストックイラストの性質上しょうがないところでしょうか。

じゃあ使用者(ダウンロードした人)がやりたい放題になるのか?って言うとそうではなくて、そこはサイト側が利用規約でしっかりとルールを決めています。

<補足>
※イラストを使用する側になったときの注意点は、また別記事でまとめたいと思います。

※著作者人格権を行使しないとはいえ、イラストACのサイト上、著作者専用のページも
 著作者名(ニックネーム)も公開されていますね。
 これはイラストACさんのサービスの一環だろうな、と個人的には思っています。
 このサービスにより、イラストのユーザーとイラストレーターがファン登録や直接依頼
 などでつながることができています。

PIXTAにおける著作権の取り扱い

PIXTAの利用規約

コンテンツ提供契約
第23条 クリエイター会員
2.
クリエイター会員は、本クリエイター契約に同意し、本サービスに当該クリエイターが権利を保有するコンテンツをアップロードすることで、当社に対し、時期、地域に何ら制限なく、当該コンテンツ及びタグ・タイトル等附随して提供される情報(以下「関連する情報等」といいます。)を複製、頒布、販売、宣伝、公衆送信、送信可能化、展示等し、又は二次的著作物を作成すること、及び当社が第三者(当該第三者から使用許諾等する者を含みます。)に対し、本サービスのコンテンツ使用許諾契約又は別途当社が定めた条件で、コンテンツ及び関連する情報等につき本項に定める複製等を許諾することにつき、それぞれ非独占的権利を付与します。
6.
当社が複製等を許諾した後も、著作権等コンテンツに係る諸権利は、当該コンテンツのクリエイター会員又は著作権者に帰属し、会員に対し権利の移転は行われません。
7.
クリエイター会員は、購入者等が、コンテンツに加工を自由に施すことを承諾し、コンテンツの使用にあたりコピーライト表示(クレジット表示)又はこの非表示等を求めないものとします。その他、著作者人格権を行使しないことに同意します。

PIXTA 利用規約より

意訳:クリエイターは、イラストをアップロードした時点で、イラストを販売したり宣伝したり使用したりする権利をPIXTAに対して付与することに同意したことになります(PXTAが定める条件の範囲内で)。
イラストの著作権はクリエイターに帰属します。(PIXTAにも購入者にも譲渡されません)
著作者人格権は行使しないでくださいね。

 PIXTAでは、著作権は譲渡されず、著作者に帰属が保持します。 

ただしイラストACと同様、 著作者人格権は行使しない ことになっています。

Adobe Stockにおける著作権の取り扱い

Adobe Stockの基本利用条件(コントリビューター契約)

4. 本作品の権利の帰属と使用
本作品に関する権原または所有権が、本条件への同意の結果、アドビに移転されることはありません。本条件に従ってお客様が付与したライセンスを除き、アドビは本作品に対する所有権を主張しません。アドビおよび本作品を使用するユーザーはいずれも、通常の方法でお客様を作者および本作品の提供者として表示する権利を有しますが、これは義務ではありません。お客様は、本作品の商用的な使用において、(A)通常、かかる使用においては作成者のクレジットが表示されないこと、(B)ユーザーは作成者のクレジット表示義務を負わないこと、および(C)あらゆる主題(ポルノまたは違法な事項を除く)に関連し、本作品が変更されて使用される場合があることを了解し、これに同意するものとします。したがって、お客様は、これらの一般的なビジネス慣行に異議を申し立てる権利を放棄します。ただし、ユーザー契約では、本作品をポルノまたは違法な目的に使用することが禁じられています。また、アドビ、アドビの販売代理店およびエンドユーザーが責任を負うことなく、メタデータが変更、削除または追加される場合があります。アドビは、ユーザー契約条件の非遵守または第三者による不正使用について責任を負いません。お客様は、権利侵害者に対してお客様のIP権を行使する権利をアドビに付与するものとしますが、アドビはこれを行使する義務を負いません。お客様の本作品が不正使用されていると思われる場合、お客様は、アドビに通知し、アドビの書面による事前同意なしには一切措置を講じないことに同意するものとします。

Adobe Stock コントリビューター契約より

意訳:作品の権原・所有権がアドビに移転されることはありません。
作成者としてのクレジット表記がないことや変更されて使用されることなどに対して異議申し立てをする権利は行使しないでくださいね。
作品のユーザー(購入者)による不正使用についてはアドビは責任を負いませんし、作成者からの通知無しにアドビが能動的に対応することは有りません。

PIXTAと同様、 Adobe Stockでも著作権は著作者に帰属し、著作者人格権は行使しないことになっています。 

私はいまのところこの3サイトしか利用していませんし他のサイトの利用規約も確認していませんが、PIXTAやAdobe Stockのような著作権の扱いの方が多いのかな、となんとなく感じています。

著作権を保有することによるメリット、即ち著作権を譲渡することによるデメリットは?

各サイトにおけるイラストの著作権の取り扱いに関しては理解できました。

重要なのはその先、著作権の有無でどんなメリット/デメリットがあるのか確認しておきましょう。

 <著作権を保有することによるメリット> 
 ・複数サイトで併売できる。(著作権を譲渡しないサイトに限る)
 ・自分が決めた条件で、自分で使用したり販売したりもできる。   
  つまり、作品の価値の可能性を広げることができる。

著作権譲渡によるデメリットは、すなわち上記メリットの裏返しなので、

 <著作権を譲渡することによるデメリット> 
 ・著作権を譲渡したサイト内でしか販売(配布)できない。
 ・自分でイラストを使うことはできるが、使用範囲や氏名の公表などに制限がかかる。

自分が生み出したイラストにもかかわらず、著作権を譲渡することで自由に扱うことができなくなることは理解しておきましょう。

<補足>
厳密に言えば、イラストACでは、著作権を譲渡・放棄しないサイトであれば作品を投稿することができると規約にあります。

PIXTAやAdobe Stockでは著作権の譲渡はありませんが、著作者が著作権を保有する作品しか投稿できないことが規約で定められていますので、イラストACとの併売はできません。

「著作権持ってなくても、著作権者が許可してるなら投稿してもいいよ」といってくれているサイトなら、イラストACと併用できるということですね。

その他、利用規約で事前確認しておいた方が後悔しない項目を紹介します。

最後に、著作権が譲渡になるイラストACについて、事前に知っておいた方が後悔しないだろうなと思った利用規約の項目を紹介したいと思います。

■イラストのアップロード
9.
イラストをアップロードした会員は、アップロードしたイラストについて,第三者との紛争が生じたときは、自らの責任と負担において紛争を解決するものとし、弊社に何ら迷惑をかけないものとします。また、万一、弊社に損害が生じた場合、会員は弊社に対して、ただちに弊社が被った一切の損害を賠償しなければなりません。

イラストAC 利用規約より

意訳:アップロードしたイラストに関して第三者とトラブったら、イラストレーターの方で解決してくださいね(イラストACに迷惑かけないでね)。
そのトラブルでイラストACに損害が発生したら、イラストレーターが賠償してくださいね。

 第三者とのトラブルについては、著作者が全責任を負う ということですね。

…こわ。。
私はこれを読んだときちょっと震えましたね。

 イラストのほぼ全権を持ってないのに、全責任は残る と。

まあ、作ったのは自分なので責任を持つことは当然ではありますが。。

自分の作品が誰かの著作権や肖像権等の権利を侵害しないことをちゃんと守っていれば、紛争なんてめったに起こるもんじゃないとは思います。

が。トラブルに巻き込まれる可能性はゼロにはなりません。

これはイラストACがどうとかいうより、「著作権譲渡」についてくる不利益ですね。

譲渡、こわっ。

今の場合、譲渡先がイラストACってことが救いであるともいえます。
この界隈では大手で有名なのでめったなコンプライアンス違反はしないでしょう。(と、信じている)

ストック以外で個別に受注する機会には、譲渡はよっぽど慎重に検討しないといけないですね…!

さらにさらに、このお話には続きがあります。

■退会

4.
会員が退会した場合、弊社は、会員がアップロードしたイラストについて、管理・保存・削除その他弊社が適当と考える処理を、任意に選択できるものとします。また、審査落ちしたイラスト、審査まで進まず削除したイラストの著作権は返還します。
すでにダウンロードされたイラスト、エクストラライセンス販売済みのイラストに関しては、当社から会員へ著作権の返還は行いません。
その場合も退会者は下記目的でイラストを使用することが可能です。ただし、著作権は当社に帰属しますので、第三者への著作権の譲渡を伴わない使用方法に限られます。

・素材の配布(著作権の譲渡を伴わない配布方法に限る)
・自分の作品のグッズ販売 (著作権の譲渡を伴わない方法に限る)
・画集販売 (著作権の譲渡を伴わない販売方法に限る)
・LINEスタンプ販売 (著作権の譲渡を伴わない販売方法に限る) 

イラストAC 利用規約より

意訳:イラストレーターが退会したら、イラストの処理はイラストACが決めます。販売(ダウンロード)実績のあるイラストの著作権は返しません(審査で落ちたイラストの著作権はお返しします)よ。
著作権の譲渡を伴わないなら、ある程度のイラストの使用を認めますよ。

ここまでくるとややホラーを感じます。

 退会しても著作権は返還されず、イラストの処分はイラストACが決め、トラブルに対する全責任はアップロードした著作者(not著作権者)が負い続ける と。

イラストの使用に関しては、退会後も著作権の譲渡を伴わない範囲である程度認められているようです。

ただし、使用に関してイラストACが条件の追加・変更を提示してきた際には、著作者はそれに従わなければならないですね。

ちなみに PIXTAやAdobe Stockも、紛争解決に関しては同様のスタンス を規約に明記してあります。

ただ、著作権は著作者が持っていてサイトは営業部長みたいなものなので、これは受け入れやすいですね。

また、この2サイトにおいては、退会後は一定期間後にイラストがサイト上から削除処理されるとのことです。

まとめ

ストックイラストはイラスト初心者でも始めるハードルが低いのが魅力ですが、権利関係はプロだろうと素人だろうと同じように適用されます。

利用する各サイトでどう扱われるか、理解しておくことはとても大事ですね。

著作権を譲渡する場合は、著作者にとって不利益になりかねない事態も想定されるので、そういうリスクもあることを事前に把握しておきましょう。

イラストACの著作権譲渡に関して怖いだのなんだの言ってしまいましたが。。

経験やスキルや実績のない初心者さんがイラストでお金を生み出したいとき、充分に利用する価値のあるサイトだと思います。

私も随分お世話になっていますよ。

何かを得ようとするとき、プラスにはもれなくマイナスがついてきます。

だけど、人間さんはネガティブなことを大きめに見てしまう傾向にあるので、
実際のマイナスは、意外と大したことなかったりします。

実際、ストックイラストを始めて9カ月、今のところクレームやらトラブルはゼロですし。

プラスを選んでチャレンジするか、マイナスを重視してやめるか。そういうシンプルなお話。

怖がり過ぎず、冷静に利用規約を確認し、理解し、想像し、不安を出来るだけ少なくして。

自信をもってチャレンジもしくは撤退(笑)してくださいね!

☆僭越ながら、各サイトに投稿している私の作品ページへのリンクを貼ります。
クオリティなどの参考にでも覗いてみてください☆

 イラストACのプロフィールページ

 PIXTAのポートフォリオ

 AdobeStockのポートフォリオ

気に入ったのがあったら、使ってくださってもいいのですよ?(笑)

(商用利用可。使用範囲は、それこそ利用規約に書いてありますのでご参考に。イラストACは無料、あとの2つは有料ダウンロードです)

最後まで読んでくださりありがとうございました!
ではまた。

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